糖尿病で使用される薬｜糖尿病の検査・治療なら松前内科医院へ

血糖値を下げる飲み薬の種類

糖尿病治療で使用する薬は、その作用ごとに、大きく以下のように分類されます。

膵臓のβ細胞に働きかけ、インスリンの分泌を促します。

インスリン抵抗性を改善し、インスリンを効きやすくします。

糖の吸収を緩やかにし血糖値の上昇を防いだり、糖を尿へと排出させたりします。

さまざまな作用を持つ薬を組み合わせた薬を使用します。

インスリンは、膵臓のβ細胞から分泌されます。β細胞に働きかけることで、インスリンの分泌を促します。

一般名（商品名）	・グリベンクラミド（ダオニール、オイグルコン）・グリクラジド（グリミクロン）・グリメピリド（アマリール）等
作用	膵臓のβ細胞を刺激し、インスリンの分泌を促進する。
副作用	・低血糖・体重増加　等

一般名（商品名）	・ナテグリニド（ファスティック、スターシス）・ミチグリニドカルシウム水和物（グルファスト）・レパグリニド（シュアポスト）等
作用	内服後、短時間でインスリンの分泌を促進する。
副作用	・低血糖　等
備考	・食事の直前に服用。・スルホニルウレア薬と比べ、吸収、血中からの消失が速い。

一般名（商品名）	●毎日服用・シタグリプチンリン酸塩水和物（ジャヌビア、グラクティブ）・ビルダグリプチン（エクア）・アログリプチン安息香酸塩（ネシーナ）・リナグリプチン（トラゼンタ）・テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物（テネリア）・アナグリプチン（スイニー）・サキサグリプチン水和物（オングリザ） ●週1回服用・トレラグリプチンコハク酸塩（ザファテック）・オマリグリプチン（マリゼブ）
作用	血糖値が高いときにインスリンの分泌を促し、血糖値を上げるグルカゴンの分泌を抑制する「インクレチン」というホルモンの作用を助ける。
副作用	・低血糖　・便秘　等
備考	・単独での使用での低血糖のリスクが少ないものの、スルホニルウレア薬と併用すると同リスクが高くなる。

一般名（商品名）	・セマグルチド（リベルサス）
作用	膵臓のβ細胞のGLP-1受容体と結合し、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促進する。また血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌を抑制する。
副作用	・食欲不振・吐き気・便秘、下痢　等
備考	・単独での使用での低血糖のリスクが少ないものの、スルホニルウレア薬と併用すると同リスクが高くなる。・体重減少の効果が期待できる。

一般名（商品名）	・イメグリミン塩酸塩錠（ツイミーグ）
作用	血糖値が高いときにインスリンの分泌を促す。また、膵臓β細胞を保護する。さらに、肝臓・骨格筋での糖代謝を促進し、インスリン抵抗性を改善する。
副作用	・悪心・下痢、便秘・低血糖　等
備考	・単独での使用での低血糖のリスクが少ないものの、スルホニルウレア薬と併用すると同リスクが高くなる。

インスリン抵抗性を改善し、インスリンを効きやすくする薬です。

一般名（商品名）	・ブホルミン塩酸塩（ジベトス）・メトホルミン塩酸塩（メトグルコ、グリコラン）等
作用	肝臓からの糖の放出の抑制、インスリンに対する感受性の向上。
副作用	・食欲不振・吐き気・下痢、便秘　等
備考	・高齢者、持病のある場合は副作用が強く出やすい。・アルコールの摂取量が多い場合には使用できない。・単独での使用での低血糖のリスクが少ない。・比較的体重が増加しにくい。

一般名（商品名）	・イメグリミン塩酸塩（ツイミーグ）
作用	血糖値が高いときにインスリンの分泌を促す。また、膵臓β細胞を保護する。さらに、肝臓・骨格筋での糖代謝を促進し、インスリン抵抗性を改善する。
副作用	・悪心・下痢、便秘・低血糖　等
備考	・単独での使用での低血糖のリスクが少ないものの、スルホニルウレア薬と併用すると同リスクが高くなる。

胃腸での消化・吸収を緩やかにしたり、余計な糖の排出を促すことで、血糖値を下げます。

一般名（商品名）	・アカルボース（グルコバイ）・ボグリボース（ベイスン）・ミグリトール（セイブル）　等
作用	小腸からの糖分の消化・吸収を緩やかにする。
副作用	・腹部膨満感・おなら（の増加）・下痢　等
備考	・食事の直前に服用。・本薬剤を服用し、低血糖になった場合には必ずブドウ糖も服用する必要がある。

一般名（商品名）	・イプラグリフロジンL-プロリン（スーグラ）・ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物（フォシーガ）・ルセオグリフロジン水和物（ルセフィ）・トホグリフロジン水和物（デベルザ、アプルウェイ）・カナグリフロジン水和物（カナグル）・エンパグリフロジン（ジャディアンス）
作用	尿細管から血中へのブドウ糖再取り込みを阻害することで、尿中への糖の排出を促す。
副作用	・低血糖・尿路感染、性器感染・脱水症状・頻尿・皮膚症状　等
備考	・高齢者、体調の悪い人などは、重い副作用が出ることがある。・単独での使用での低血糖のリスクが少ない。

異なる作用を持つ薬を、複数以上組み合わせたものです。作用、副作用は、配合された薬によって異なります。

一般名（商品名）	・ピオグリタゾン塩酸塩＋メトホルミン塩酸塩（メタクト配合錠LD/HD）・ピオグリタゾン塩酸塩＋グリメピリド（ソニアス配合錠LD/HD）・アログリプチン安息香酸塩＋ピオグリタゾン塩酸塩（リオベル配合錠LD/HD）・ミチグリニドカルシウム水和物＋ボグリボース（グルベス配合錠）・ビルダグリプチン＋メトホルミン塩酸塩（エクメット配合錠LD/HD）
作用・副作用	・副作用配合されている薬剤の成分による。
備考	・薬の数が減ることで管理しやすくなる。また、服用の負担が軽減される。