糖尿病で疲れやすくなる理由
糖尿病の症状の1つに「疲れやすい」あるいは「だるい」というものが挙げられます。
このような症状は、基本的に以下の2つのケースにおいて出現します。
- 高血糖のとき
高血糖のときには、インスリンの分泌・働きが不足しているということであり、血中のブドウ糖をうまく細胞に吸収できません。そのため、活動に必要なエネルギーが不足し、疲れを感じます。
- 低血糖のとき
血中のブドウ糖が少ないという状況ですので、当然細胞に吸収できるブドウ糖の量も少なくなり、エネルギーが不足し、疲れを感じます。
血糖を適切にコントロールできており、高血糖でも低血糖でもないのに異常な疲れを感じるという場合には、糖尿病以外の原因を疑う必要があります。
糖尿病以外に考えられる原因
過労
多くの人が一度は、仕事で疲れたと感じたことがあるかと思います。どのような仕事でも踏ん張りどころというものはありますが、そのような状態が続くと休んでも疲れが取れません。心身に不調をきたす前に、ブレーキをかける必要があります。
睡眠不足
近年、睡眠の重要性が見直されています。必要な睡眠時間は人によって異なりますが、疲れが抜けない、日中の活動に影響があるという場合には、改善が必要です。
また、何らかの疾患を原因として不眠になることもあります。眠りたいのに眠れない、ベッドに入っているのに眠れない、夜中に何度も目が覚めるという場合には要注意です。
貧血
女性全体の約1割に見られるのが貧血です。階段を歩いて上るくらいの運動でも息切れや動悸などをきたし、疲れやすさを感じます。もっともよく見られる原因は、鉄不足です。
更年期障害
更年期(おおよそ45~55歳)に起こるさまざまな心身の不調によって、日常生活に支障をきたしている状態です。特に女性は閉経を境に、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が急激に低下するため、更年期障害を起こしやすくなります。
のぼせや顔の火照り(ホットフラッシュ)、喉の渇き、頻脈、動悸、息切れ、発見、耳鳴り、頭痛、イライラ、不安感、うつ症状、不眠などさまざまな症状を伴うため、結果として疲れやすさを感じます。
うつ病
疲労感や疲れやすさの他、睡眠障害、倦怠感、意欲減退といったさまざまな症状をきたします。ご自身では気づきにくいため、ご家族やご友人に指摘されたときには、精神科や神経科、心療内科などを受診しましょう。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、甲状腺機能低下症(橋本病)
バセドウ病に代表される甲状腺機能亢進症、橋本病に代表される甲状腺機能低下症も、それぞれ疲れやすさを感じることのある病気です。甲状腺機能亢進症のそれ以外の症状としては、甲状腺の腫れ、頻脈、手の震え、多汗、食べても痩せる、イライラなどが挙げられます。甲状腺機能低下症では、徐脈、寒がり、むくみ、体重増加、動作緩慢、記憶力低下、便秘などの症状が挙げられます。
慢性腎臓病
倦怠感、頭痛、吐き気、むくみなどの症状が、かなり進行してから出現します。また、その進行によって心筋梗塞、脳卒中、認知症の発症リスクが高くなると言われています。
がん
がん細胞が作り出す物質にエネルギーが消費され、疲れや体力の低下、倦怠感などの症状が現れます。