1型糖尿病の治療

1型糖尿病とは

1型糖尿病は、インスリンの分泌を担う膵臓のβ細胞が破壊されて、インスリンの分泌がなされなくなり、慢性的な高血糖状態になる疾患です。

症状

  • 喉の渇き、多飲、多尿
  • 体重減少
  • 風邪症状
  • 全身倦怠感
  • 吐き気、嘔吐
  • 腹痛
  • おねしょ(小児)

原因

本来身体を守るはずの免疫が異常を起こし、β細胞を攻撃してしまうことで起こると言われています。なお、2型糖尿病とは異なり、生活習慣だけが発症の原因になることはありません。

当院で行う1型糖尿病の治療

1型糖尿病の治療は原則インスリン療法が必要になります。
生活習慣の乱れを原因として発症することはありませんが、食事や生活習慣などに良くない点がある場合は改善を行うことも大切です。

食事療法

1型糖尿病でも基本となる食事療法の考え方は2型糖尿病と同じですが、1型糖尿病では「カーボカウント」が取り入れられることがあります。カーボカウントは毎食ごとの炭水化物の量を計算する食事療法です。炭水化物は消化されると100%がブドウ糖となり、食後すぐに血糖値を上げます。炭水化物の量を決め、量に合わせたインスリンを打つ事で食後の急激な血糖上昇を抑え、血糖値を安定させるとともに食事の自由度も上がります。

1型糖尿病の方が特に注意すべき合併症「低血糖」

低血糖は、糖尿病治療中に見られる急性合併症です。食事の時間が遅れる・食事を抜く、空腹で運動を行うと低血糖のリスクが上昇します。低血糖を防ぐためにも規則正しい食事をとることが重要です。食事の時間がいつもより遅くなる場合や運動をすることが予めわかっている場合は、80kcal程度の補食を取っておく・空腹時、食事前の運動や入浴を避けることも低血糖の予防に繋がります。

当院では、患者様おひとりおひとりのライフスタイルに合わせた食事療法の提案を行っております。ご不安なことなどがありましたらお気軽にご相談ください。

運動療法

運動により血流が改善すると、ブドウ糖の細胞への吸収が促進され、インスリンが効きやすくなり、血糖値が下がります。また筋肉量が増えることで更にインスリンが効きやすくなります。医師の指導のもと、運動療法に取り組みましょう。

内服薬

1型糖尿病の治療では、インスリン治療に加えて「糖の吸収・排泄を調整する薬(α-グルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬の一部)」を患者様の状態に合わせて用いる場合があります。

インスリン療法(インスリン注射)

1型糖尿病の場合、もともとの分泌のパターンに応じて、1日4~5回の注射が必要になります。当院では、ご家庭で行う自己注射の方法や自身で行う際の注意点などを丁寧にご説明しております。

  • 1日3回、食事前に超即効型または即効型インスリンを注射
  • 1日1~2回、持効型または中間型インスリンを注射

この他に、インスリンポンプと持続血糖値測定を組み合わせたSAP療養を利用することによって、低血糖をさけつつ、さらにきめ細かい良好なコントロールを実現する方法もあります。

方法

基本的には患者様ご自身がペン型注射器を使用し自己注射で投与します。

注射する部位

吸収の良いお腹に注射するのが一般的ですが、腕の外側、臀部、太ももなどに注射することもあります。

インスリン療法(インスリンポンプを用いたSAP療法)

インスリンポンプ療法とは、皮下に留置したカニューレという細く柔らかい管を通して持続的にインスリンを注入する治療法です。 血糖を正常に保つため、24時間連続して注入することができ、食事に合わせてインスリンを調整することも可能です。 当院では、自己血糖モニタリング機能を搭載したインスリンポンプ療法である、SAP(Sensor Augmented Pump)療法にも対応しております。 SAP療法では、持続血糖モニタリングで測定されたセンサグルコース値がリアルタイムでインスリンポンプの画面に表示され、血糖値の変動を患者様自身で確認することが出来ます。

当院で使用している最新インスリンポンプ「ミニメド770G」

当院では、基礎インスリン注入量の自動調整が可能な「ハイブリッドクローズドループ」テクノロジーを搭載するインスリンポンプ「ミニメド770G」を導入しております。ハイブリッドクローズドループはこれまでのインスリン注入量やセンサグルコース値に基づいて、基礎インスリンの量の自動調整を行い、血糖値をコントロールして目標範囲に維持するためのテクノロジーです。食事の際などに必要になる追加のインスリンはボタン操作で注入することができ、自動調整と手入力を組み合わせた治療法となります。またミニメド770では、基礎インスリンの注入状況、持続血糖測定のデータをBluetoothによってスマホで閲覧することができ、高血糖や低血糖のアラートもスマホに通知されます。家族の方もスマホでデータをリアルタイムに閲覧することが可能です。

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