痛風(高尿酸血症)

こんな症状は痛風(高尿酸血症)かもしれません

こんな症状は痛風(高尿酸血症)かもしれません足の親指の関節が急に痛くなり赤く腫れあがった、耳に結節(小さな固いふくらみ)がみられることがあるという方は、痛風(高尿酸血症)の可能性があります。
この、「関節が急に痛み赤くなる」という症状を痛風発作と呼びますが、痛風発作は足関節、足の甲、アキレス腱のつけ根、膝関節、手関節にもみられることがあります。痛風発作が起こる前にはその部位がむずむずする感覚がある場合もあります。
痛風発作は、これらの関節に「尿酸」がたまることによって引き起こされます。初めは年に1~2回程度の発作であったという場合も、治療せずに放置していれば頻度はどんどん増えていきます。 痛風発作による痛みが生じると、人によっては痛くて歩けなくなるということもあります。

痛風(高尿酸血症)とは

痛風とは、血液中に含まれる「尿酸」の値が高い状態である、「高尿酸血症」によって起こる病気です。血液中の尿酸が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。この状態が長時間持続すると、尿酸塩結晶とよばれる固まりが関節内にできて炎症を起こし、痛風発作を引き起こすのです。

痛風(高尿酸血症)の種類

高尿酸血症には3つのタイプ があります。

尿酸合成過剰型 プリン体の過剰摂取やプリン体が体内で過剰に生成されてしまった状態のことで、高尿酸血症の方の約20%がこれにあたります。
尿酸排泄低下型 腎臓の病気などでプリン体や尿酸がうまく体外に排泄されない状態のことで、高尿酸血症の方の約60%がこれにあたります。
2つの原因を併せ持つ混合型 高尿酸血症の方の約10%がこれにあたります。

痛風(高尿酸血症)の原因

尿酸とは、食べ物や飲物に含まれる「プリン体」という成分の代謝産物です。プリン体は、私たちの細胞をつくる成分でもあるため、体内で産生されます。通常は体内で作られた分は代謝されて尿中に排泄されるのですが、モツ・干物・白子・うに・レバーなど、いわゆる「細胞の詰まった食事」をたくさん食べると、尿酸の原料となるプリン体をたくさん摂ることになります。すると体内で代謝、排泄しきれず、残ってしまったものが痛風の原因となります。特にアルコールは体内の尿酸産生を増加させるだけでなく、尿酸を体外に排泄するのを阻害します。アルコールの利尿作用によって尿酸は濃縮されるため、痛風になりやすくなります。

痛風(高尿酸血症)の統計

高尿酸血症の患者数は2016年での情報では1,000万人を超えているとしています。このうち、痛風の症状が出ている方が推定約110万人で、年々増加傾向にあります。特に30~40歳代の男性に多く、その3割が高尿酸血症であるとしています。

痛風(高尿酸血症)の検査と治療

高尿酸血症の検査

高尿酸血症の検査高尿酸血症の検査は、主に血液検査です。血液中の尿酸が7.0mg/dlを超えていれば高尿酸血症と診断されます。
痛風においては、痛風の症状が出ていなければ検査や診断を行うことができません。痛風発作は症状を見れば判断することができますが、見ただけでは判断が難しい場合にはレントゲン撮影をしたり痛む関節の成分を採取したりすることもあります。

高尿酸血症の治療

痛風(高尿酸血症)の治療は、生活習慣の改善とお薬による治療です。
生活習慣の改善では食生活の見直しやアルコールの減量といった食事療法がメインで行われます。
お薬を使った治療では、原因に合わせて、尿酸が作られ過ぎないようにおさえるお薬、尿酸をスムーズに体外へ排泄させるお薬を使用します。
なお、痛風の発作が出ている時には上記のお薬を使った治療をすることができません。この場合は、消炎鎮痛薬や局所麻酔剤入ステロイド関節内注入などで痛みを鎮めます。痛風発作の前兆症状や発作の鎮静化にはコルヒチンを使うこともあります。これらの治療を行い発作が静まったところで尿酸値をコントロールする治療を行います。

厚生労働省

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